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ハツコイ♥アゲイン
第14章 伝えたい想い
思わず大きな声で叫んでしまった。
……私だって、ちゃんと笑いたい。
笑顔で送り出す、いい女になりたい。
だけど、いよいよあと数分で
陽向と離れるって思ったら、とてもじゃないけど……
「別に、死ぬわけじゃねぇし」
しれっとした顔で、陽向が息を吐いた。
「永遠に帰国しないわけでもねぇし。
んな感傷的になるなよ」
「……なんで陽向はそんなに冷静でいられるの。
もう少し寂しがってくれても…」
「仕方ねえだろ。
終わることは決まってたんだから」
“ やるからには、ちゃんと演じる ”
……本当に、その通りでしたね。
平然と言い放つ陽向を見て、ガックリと肩が落ちた。
拍手したくなるほどのサッパリした切替えに
溢れそうになった涙も止まったよ……
「私はこんなにもいっぱいいっぱいなのに…」
「あのな」
止まらない私の嘆きを、陽向が遮った。
「俺だって、ギリだっつーの」
「……!」
「このまま連れて行きたい衝動を、抑えてる。
あと数ミリってとこで留まってるんだ」
「……っ」
「……分かれよ、胡桃」