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ハツコイ♥アゲイン
第6章 魔法の言葉

「胡桃ちゃん、勤務中」


街路樹の下、テラス席のテーブルを念入りに拭いていると
パントリーにいるはずの店長の声が降ってきた。


「お客さんがいる時に、怖い独り言言っちゃ駄目」

「……へっ?」

「ちくしょうって言ったでしょ。しかも2回」


低い声を聞いて、ハッと我に返って振り向くと
私と同じ背丈の店長が、メニューを持って仁王立ちしていた。


~~げげっ 声に出てたのか!


「す、すすすみませんっ」


慌てて周りを見渡してから、すぐに頭を下げる。

……やばい、完全に意識飛んでた。
なにやってんのよ私。


「反省したならヨシ。上がっていいよ」

「え?もうそんな時間ですか?」

「うん、お疲れ様。
最後にキャンドルだけ出すの手伝って」


その言葉で顔を上げたと同時に
駅に続く並木道、両側の街路灯にパッと明かりが灯った。


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