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出会い系体験談~秘密の調教日記~
第3章 十九歳、イツキ
経費の五万円から、女装に使う服や靴、ファミレス代とホテル代を抜いた約二万五千円が入っている。
封筒の中身を覗いた瞬間、イツキくんは飛び上がった。
「い、いらないです……、こんなの。そーいうつもりじゃないし……」
「これはあたしの決め事なんだよ。電話でも言ったじゃん。受けとれよ」
「……え?」
あたしはもうしゃべり方や声色をわざと女っぽくするのはやめた。全部終わったし。
乱れて邪魔な髪を後ろにかきあげながら、彼に背を向けてどかどかと部屋を歩く。
「シャワー先に浴びてくんねー」
「え、あ、はい……」
急に変わったあたしの態度に、イツキくんは戸惑っているようだった。
だけど、ぶっちゃけそんなのはどうでもいい。
期待とは違ったイツキくんの反応に、少ししらけ気味だった。
「無理やりされて、ありがとうって……」
湯に浸かってひとりごちる。
そんな反応が見たかったわけじゃない。
そのあとイツキくんもシャワーを浴びて、ホテルを出る。
そのまま彼を家に送り届け、出会い系体験二人目は、幕を閉じた。