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出会い系体験談~秘密の調教日記~
第6章 挿話 三
好みな子とエッチをするためだけにボーナスをつぎ込んでいるのが、なんだかアホらしくなってきた。もとからくだらないことに時間やお金を割くのは好きだ。アマノジャクなのか、たとえそっちの方が自分に役立つことだとしても、それがありがちなことならつまらない。
たとえば祭のようなノリで、ハデに散財できたらそれで楽しい。そう思ってこその、一人五万のこの出会い系体験だったのに。
自分の中の欲望が思っていたよりずっと猟奇的で、少し怖くなった。
また、ビールを一口。ちびちび飲んでいるせいか、少し生ぬるくなってしまった。
ジョッキのまわりから垂れる水滴をぼんやり眺めていると、ふいにケンヤくんの頬を流れる涙と重なった。強烈な快感のせいで歪んだ顔。
思い出して、わずかに濡れた。
「そろそろ帰るか」
唐突に、圭介が立ち上がる。
「しゃーなし、奢ってやるよ」
「そらどーも」
あたしも立ち上がった。今日は早めのお開きだ。
気分がいつものように乗らなかったから、正直ありがたかった。