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第9章 カイ（年齢不明）

　あさみですけど。
　という淡白な一言を送ると、彼からすぐに書き込みがあった。ちなみに、あっちのSkype名もカイのままだ。アイコン画像はなかった。
　Skypeでも、カイというのがどんな男なのかイメージできるものはなく、それが少し気持ち悪かった。
　せめて年齢と、顔くらいはわかる相手とやり取りしたい。
　あたしはまず年齢を尋ねた。二十代前半だという。ダメ元で写メを要求する。あっさりと許可が降りた。手持ちに自撮り画像はないので、すぐに撮って送るという。

「……マジ？」

　全くイメージがない状態からの写メなので、興味深かった。
　数分後。送られてきた写メに、さらにぽかん。

「うっそ、普通に可愛いじゃん……。うそーっ」

　眉間に皺を寄せ、スマホの画面に顔を近づけて凝視。そこには黒いスウェット姿で茶髪の男の子が写っていた。目の大きい、おとなしそうな外見だった。
　……怪しい。本当に本人？　ネットで拾ってきた画像なんだろうか。
　あたしはどうしても信用できず、もう一枚要求してみた。前に撮ったのが見つかったから、それでもいいかと返ってくる。
　いいよ、と返信すると、すぐにまた画像が送られてきた。