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第5章 意地悪な、キス

仕事の時とプライベート…分けたい。

皆と違う呼び方をしたい…

そう思いながらも叶わないと思っていた。

それでも良いと言って貰える些細なこと。

ただ素直になれない子供をあやすようなだけの撫でる手。

そんなどうという事でもない些細なことでここまで気持ちが高ぶるなんて…

そんな時。ふと姫紗の頭を過ぎったことがあった。

「今までのマネージャーさんに対しても同じなんだろうな…」

そう自身で思った途端言葉に言い表せないほどの寂しさに駆られていた。

「…っめ…姫！」
「え？はい！！」
「先に事務所。寄ってくんじゃねぇの？先に終わらせちゃえよ」