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ドラスティックな恋をして
第11章 潮時・・
その夜の依子は何度も何度も昌宏に愛の確認をした。
昌宏はいつになく激しさを感じる依子をただかわいいとしか言わなかった。
なにかを隠すため、なにかを紛わすため、
そんな感情があるとは想像もしていないような、
いつもと変わらぬ愛を与えてくれた。
互いの体の感じる部分を、何度も何度も刺激して、
肌にじっとりと汗をかくまでベッドの上でうねり続けた。
絶頂を味わった後、大きな窓から見える宝石箱のような夜景を、
昌宏の腕の中で見下ろした。
ベッドから立ち上がり窓際に立つと
宇宙が2人だけのもののような気になった。
「この夜景が朝焼けに変わるのを一緒に見られるのね」
まだ10時少し前だというのに、翌朝の太陽が楽しみだと依子は言う。
けっこうなロマンチストだ、とからかうように笑いながら昌宏は
ソファにゆったりと体をあずけた。
その隣に座ろうと一歩を踏み出した時、携帯電話が鳴った。
依子のものだ。
掛けてきた相手は、悟志だった。
携帯電話を見つめる依子の表情から、夫からの電話だと察した昌宏は
息をひそめて窓の外に視線を移した。