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ドラスティックな恋をして
第3章 一人、想う・・
3つの皿は、思った通り依子のお腹を十二分に満たした。
ポットに残る紅茶を最後の一滴までカップに注ぐ。
残りの一杯をゆっくりと味わおうと、さっき楽器屋でもらった
フリーペーパーをパラパラとめくった。
若者向けで、今時の音楽なんてほとんどわからない依子には
ただ荷物を増やしただけになってしまった。
その冊子をめくる手がふと止まった。
さっきの、あのギターの男を思い出したからだ。
いいオトコだった。
見た感じ、自分と同年代くらい。
嫌いな言葉・熟女、を自分に投げつけてきたけれど、
あの的を得た返球は、私の心のど真ん中に投げ返された・・
日曜のあの時間、よくあの店に来るって、言ってた・・
また・・行ってみようか・・
いや正確に言えば、会いに行ってみようか・・
依子はティーカップを揺すりながら、
あの男の指の動きを頭の中でよみがえらせた。