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ドラスティックな恋をして
第4章 会いに・・行こう
男の半歩後ろをついて歩く。
人のかたまりとすれ違うたび、男は依子の存在を確認するかのように浅く振り返った。
目が合うたび、依子の心はビクンと鼓動を打った。
こんなふうに前を歩く男の背中を追う懐かしさ。
遠い記憶が色を取り戻したようだと、依子の顔は次第にほころんでいった。
「ねぇ、ここでもいい?」
男が立ち止った事に気づかなかった依子は、体ごと男の腕にぶつかって止まった。
「わっ!ごめんなさい!」
まさに顔から火が出るとはこのことだ。
自分の乳房の弾力を、まだ会って2度目の男の二の腕に伝えてしまった恥ずかしさ。
「はは!なんか高校生みたいだね」
男は天を仰いで笑った。
「ね、ここでいい?」
もう一度、男は聞いた。
はい、と頷きながら確かめるように店の入り口を見ると、
2週間前の帰り道でお茶をした、あの3段重ねの店だった。