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ドラスティックな恋をして
第5章 懐かしさの理由


「ところで、どうしてそんな久しぶりにギターを引っ張り出したわけ?」

3つの皿の上はきれいに片付き、
3杯目の紅茶をカップに注ぎながら昌宏は視線を依子に送った。

「じつは・・一人で時間を持て余してて・・」

うふっと笑いをもらして依子は続けた。

「主人がこの春早期退職して、田舎暮らしをしたいとセカンドハウスを買ったんです。
 彼はもちろん私も一緒に行くと思ってたみたいなんですけど・・
 私はまだ今の生活を変えたくなくて。反対はしないけど
 私はまだ今のまま生活するって、一人で家に残ったんです。
 もちろん時々は行きますよ。でも・・ずっとっていうのは・・まだいいかなって。
 息子もこの春大学を卒業して就職して、一人暮らしするって家を出たんです。
 だからますます時間を持て余しちゃって。
 掃除している時に押し入れの中から引っ張り出したらなんかすごく懐かしくなって。
 開けたら絃が錆びてたから取り換えて、ちょっと引いてみようかな、
 なんて思ったんです」

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