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ドラスティックな恋をして
第6章 夫という現実
金曜日の夕方近く、新幹線でやって来る依子を上田駅で悟志が待っていた。
東京から1時間半。
つかの間の一人旅はすぐに終わり、改札の外に悟志の姿を見つけると
依子は大きく手を振った。
2ヶ月ぶりとなると、長年寄り添って見飽きた顔でもやはり嬉しくなるものだ、と
依子は息を弾ませた。
「天気そうじゃないか。さぞかし一人の生活を満喫してるんだろうね」
「あら、あなたでも嫌味なんていうのね」
「そういう意味じゃないよ、来てそうそう突っかかってくれるね。
ま、ゆっくり温泉にでも浸かれば心も体も癒されるよ」
立ち寄り湯のできる温泉があるから寄っていこうという悟志の提案に、
依子も二つ返事で賛成した。