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ドラスティックな恋をして
第1章 想い出に導かれて
「え?ええ・・あ、でも高校生の頃だから、ギター弾いてたの。
今はもう昔みたいには弾けないと思います」
「へぇ、じゃあ今日はここへは何しに?見物って感じじゃないもんね」
今度は男は、1本1本の絃を伸ばした爪でつま弾いた。
「え?絃を買いに・・
今日押し入れから引っ張り出して開けてみたらなんか急に弾きたくなって。
でも絃は錆びてたから、だから新しい絃に張り替えようと思って」
気づけばすべてを男に打ち明けていた。
なんでここまでしゃべるのよ、と心の中で頭をかいた。
「そうなんだ・・だったら・・」
男の言葉はそこで途切れた。
ポケットの中の携帯電話が震えたかららしい。
ギターを抱えたままポケットをまさぐり、黙って震える電話に応えた。
その姿に一礼して、依子は棚へと進み、今日ここへ来た一番の目的、
買いに来た絃を手に取り、レジへと向かう。
会計を終えてから男の方をチラッと見る。
電話を急いで終えた男は依子にむかって、
「日曜の今頃はよくここに来るから、なにかわかんない事があったら聞きにおいでよ」
男はにっこりと笑った。
その笑顔には懐かしさのようなものが感じられた。
今はもう昔みたいには弾けないと思います」
「へぇ、じゃあ今日はここへは何しに?見物って感じじゃないもんね」
今度は男は、1本1本の絃を伸ばした爪でつま弾いた。
「え?絃を買いに・・
今日押し入れから引っ張り出して開けてみたらなんか急に弾きたくなって。
でも絃は錆びてたから、だから新しい絃に張り替えようと思って」
気づけばすべてを男に打ち明けていた。
なんでここまでしゃべるのよ、と心の中で頭をかいた。
「そうなんだ・・だったら・・」
男の言葉はそこで途切れた。
ポケットの中の携帯電話が震えたかららしい。
ギターを抱えたままポケットをまさぐり、黙って震える電話に応えた。
その姿に一礼して、依子は棚へと進み、今日ここへ来た一番の目的、
買いに来た絃を手に取り、レジへと向かう。
会計を終えてから男の方をチラッと見る。
電話を急いで終えた男は依子にむかって、
「日曜の今頃はよくここに来るから、なにかわかんない事があったら聞きにおいでよ」
男はにっこりと笑った。
その笑顔には懐かしさのようなものが感じられた。