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ドラスティックな恋をして
第1章 想い出に導かれて
楽器屋を出て、このまままっすぐ家に帰るのももったいないような気がして、
というか、帰ってもどうせ一人だし自分のためにしか時間を使わないのだし、
だったら少し贅沢な時間を過ごそうと、依子は街中へと歩き出した。
隙間なく立ち並ぶビルの1階に、重厚な木枠のドアのカフェレストランを見つけた。
この時間はティータイムらしく、立て看板には
女心をくすぐる3段重ねの皿の写真が飾ってあった。
ちょっと贅沢かな、これでお腹いっぱいになっちゃうかも・・
そしたら夕ご飯は簡単にすればいいか、と口の中でブツブツとつぶやきながら
依子はドアを引いた。
席に着くとすぐにあの写真のセットを、と注文した。
「アフタヌーンティーセットでよろしかったですか?」
若い店員の、語尾のおかしさに引っかかりながらもハイと返事をした。