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ドラスティックな恋をして
第10章 他人の目に映る自分・・
「もしもし、やっといたね。昼間も何度か電話したんだよ」
日曜の夜の10時をまわってから悟志から電話がかかってきた。
携帯ではなく固定電話。
「家にいる時は携帯よりも家電のほうがいいと思ってかけたんだけどね。
でも出かけてるみたいだから、夜ならいるはずだと思って」
電話の向こうの声は相変わらずのおっとりとした夫の明るい声。
その明るさがかえって依子の心に鋭く刺さった。
「ちょっと出かけてて・・仁美とね、たまにはお酒でもって」
ほんとうは昌宏と会っていた。
いつものように午後から待ち合わせて夕方にホテルで愛し合い、その後食事をして・・
悟志が何時に電話をかけてきたのかわからない。
夕方か、それとも7時くらいか。
親友と飲んできたというのが一番しっくりくる言い訳だと思った。
「そう、でもほどほどにしておけよ。もういい歳なんだから、体に気をつけないと」
飲み過ぎの心配をしながら笑い声をあげる悟志に心の中で、詫びた。