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パズル Ⅱ
第16章 間宮さん
間宮さんのマンションは、1LDKで、でも引戸を取っ払って広めのワンルームみたいな感じで使っていた。
入ってすぐが廊下で、その途中に風呂とかトイレがあって、突き当たりにドアがあるから、玄関開けて部屋全体が丸見えって訳ではない。
入ってソファに座るよう促され、腰をかけるとすぐにお猪口と小さいボトルを持ってきてくれた。

「まずは味見。」

空きっ腹に?と思ったけどガラスのお猪口に注がれた日本酒は、驚く程癖がなくて水みたいだった。

すーっと喉に吸い込まれていく、という表現がぴったりで、でも鼻に抜ける香りと嫌味のない後味は紛れもなく酒だった。

「こんなの初めて飲みました…」

「これがね、大吟醸。雑味がないから食前酒にするんだよ。料理と一緒に飲むには向かない。味が負けちゃうから。日本酒は高いほど雑味がなくてスッキリしてるから、食事の前に一番高いの呑む、って思っとけば大体間違いない。」
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