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パズル Ⅱ
第17章 卒業
「バカ美桜‼︎ 」

俺の怒鳴り声に、美桜が首を竦める。
こんな本気で美桜に怒ったのなんか初めてだ。

今にも泣き出しそうな顔で、何か反論しようとするけど怒鳴られたのがショックで言葉が出てこないようだった。俺はマンションのエントランス前で、コンビニからも丸見えの場所だということも忘れ、美桜を思い切り抱き締めた。

「こんなトコに女の子がひとりで2時間も居たら危ないってことくらいわかるだろ!もう子供じゃないんだから!怖いコトとか、変な奴に絡まれたりとかしなかったか⁉︎」

腕の中で、美桜が震える。

「…だい、じょうぶ、だった…」

「本当か?」

「うん、…晃一くんが、そんなに怒ると思わなくて…ごめんなさい…」

「サプライズもわかるけど、もし、美桜に何かあったら俺は…!」

言葉に詰まって抱き締める腕に力がこもる。

「ちょ…苦し…」

美桜の手がギブアップのサインでトントンと俺の手を叩く。

「このくらい我慢しろバカ!…無事で、よかった…会いたかったよ、美桜…」

「…私も。」
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