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後輩くんの挑戦状 ~僕に惚れてもらいます~
第7章 休日の小悪魔
遠くから見守る店員の視線と合わさって、ある意味 公開処刑。
爪先に力を入れて未だに抵抗している私を、上目遣いで説得してくるこの顔にしても…っ
首から背中にかけてのむず痒さが加速するからやめてほしい。
「絶対に似合いますから…」
下手下手( シタテ )に出ているくせにこの強引さ──
まさに葉川くんを形容して " 小悪魔男子 " という言葉があるのだろう。
小悪魔男子。
穂花に教えられたこのワードが浮かんできたのはただの偶然。
聞かされた当時は、男に向かって使う言葉じゃないと疑ってかかったわけだが…
…どうやら、ピッタリの人物を見つけてしまったみたいで。
「──はい。履き心地はどうですか?」
「……ちょうどいいわ」
うだうだ考えている間にも靴は私の足に隙間なく装着された。本当にガラスの靴を履かされたシンデレラみたい。
さらりとした中の生地が、普段の9センチヒールで反り上がった甲から、固くなった踵( カカト )までを優しく包む。