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後輩くんの挑戦状 ~僕に惚れてもらいます~
第7章 休日の小悪魔
普通のピンクでは私が嫌うことをわかっているのだろう。
彼が選んできたピンクベージュは派手さがなくて上品な色だ。加えてサイズもあっているのだから見事としか言えない。
ただ
“ ヒールが… ”
右足を包むこのパンプスはどう見てもローヒール。
せいぜい3センチ程度のこのヒールは、私からすれば無いに等しい。
「……」
「不満ですか」
「気付いてるのなら聞かないで」
そんなに私のハイヒールが嫌いなのか。
それともなにか…。もしや葉川くんは根っからの脚フェチ?
女の脚を愛しすぎて、脚を酷使する世界中のハイヒールを恨んででもいるのかしら。
「…ハァ」
って、我ながらくだらない想像…。
「もういいでしょう、脱ぐわね」
「まだ早いですよ。椅子に座ったまま靴の試着を終える人なんていますか?」
「どうすればいいの?」
「歩きましょうか」
「いやよ」
「何故です?」
「…っ、何故って聞かれてもね」
「──…怖いですか?装備品である高いヒールから解放されて…その歩きやすさを思い出すのが」
「どういう意味…!?」
強がりの次は……怖い、ですって?
思わず聞き返したその隙に、左足にも例のパンプスが履かされた。