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後輩くんの挑戦状 ~僕に惚れてもらいます~
第18章 独占欲
今さら覆せるとは思えない。この想いも、あの約束も。
「──…」
彼の片腕に抱かれた私は声を出そうにももごもごと喋りにくくて、だから、黙っていた。
すると葉川くんがそっと身体を離し、握っていた私の手首に唇を寄せる──。
「どこから食べようか…迷いますね…」
上目遣いの彼と目が合う。
その言葉を聞く限り、私たちが次にするであろう行為の予想はつくのだけれど
目をそらす一瞬の時間が惜しいあまり服を脱ぐことさえ億劫( オックウ )になってしまう。
不思議よね。
初見の時は胡散臭いとしか思わなかった表情が、今はどうしたって魅力的に映る。
もし私がもっと素直な女だったなら「私だけを見てほしい」とすがり付いて頼むだろうか。
それか彼の瞳をその目から取り出して、盗んだそれをひとり眺めて暮らすのだろうか。怖い話だけれど。