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後輩くんの挑戦状 ~僕に惚れてもらいます~
第1章 フラれる女
誰よ、いま
「……ああ、失礼」
私を鼻で笑ったのは。
はっきりと聞こえた。
カフェミュージックが流れているこの店内で、それでも私の耳に届いた。
右斜め、後ろ。
鼻で笑った犯人はその場の空気が変わったことを察したのだろう。私も穂花も互いを見合って止まっていたが、わざわざ向こうから謝りをいれてきた。
「すみません。お二人の会話を盗み聞くつもりはなかったのですが、つい」
「…別に構わないわ」
若い男の声だった。
私は振り向かず、しごく冷静に返事をする。
代わりに穂花が目の前で慌てていた。
私と、後ろの男。交互に目を向けながら。