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後輩くんの挑戦状 ~僕に惚れてもらいます~
第7章 休日の小悪魔
「ちょっと待って!車の鍵がないの。スーツのポケットに入れていたのに…いつの間に捕ったの?」
「冤罪ですね。僕は知りません」
「とぼけていないで早く返しなさい」
「知りませんってば」
食事中は、スーツを脱いで椅子の背もたれにかけておいた。
珈琲を飲み終わり、スマホを確認していた時にはまだポケットに入っていて…
なのに、トイレで席を立ち戻ってきたら無くなっていた。
だから犯人は……!
「返して…!!」
「もし──僕が鍵を盗んだのなら、僕から取り返すまで先輩は帰れませんね」
「……っ」
後ろから腕を掴んで引き留めると、同時に葉川くんが振り返る。
「その時間がもったいないですし、ついでだと思って僕とデートをしませんか?」
「……は?」
「いいですよね」
「…っ…そんなわけないでしょう!」
彼の発言があまりにふざけているから、私は思わず自分から掴んだ腕を思いっきり振り払った。