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すべての生き物に愛を求めて
第3章 うさぎ
「ごちそうさまでした。」


と、彼女が言ったのでカップを受け取ると、目の前でカップを浮かせてパチン!と指をならす。すると、カップはキラキラとダイヤモンドダストのように消えていった。


「綺麗…」

「ふふ。喜んでいただけて何よりです。しかし、これから先どうしましょう?何処かあてはありますか?」


すると彼女は首をふり、しばらく考えてから口を開いた。


「あの、シェン様は何をしている方なのでしょうか?」

「そうですねぇ。私も今日、此方に着いたばかりなので、しばらく旅でもしようかと思っているとこです。」

「やはり…旅人でいらしたんですね。
…助けていただいたのに、こんな事言うのは大変おこがましいのですが…

一緒に連れていっていただけないでしょうか?」


私は先程の会話から予想されていた言葉に少し考え込んだ。
確かに彼女のことは既に愛しいと感じている。だからこの申し出は願っても無いことだ。

しかし、ここから先色々な生物を愛していくとなると、彼女と関係を持つにしろ持たないにしろ、他にも愛しい存在が出来た際に、不快な思いをさせることになる。
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