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第3章 うさぎ

「私はこの世界に降り立つことで、フェロモンの能力が備え付けられる魂を持っていると言われました。
ですので、このラクーンで生きとし生けるものを愛し、命の生成をする。それが私の使命なのです。」


「命の……生成…。」


そう呟くと、ボン！と言う音が出そうなくらいな勢いで顔が赤くなっていった。
まぁ、どういう意味か想像出来たのだろう。



「神からは引き寄せられるもの、愛しく思うもの、全てを愛する権利があると言われました。
つまり、私には旅する各地で愛すべき存在があり、子を成す義務がある。これがどういう事かわかりますか？」


「…え？」


「貴女は旅に同行させてほしいと言いました。しかし、その様な状況に耐えられますか？
一緒に旅をしている男が毎晩違う女を抱くのです。そんな男と一緒に旅をしたいと思いますか？」


「あ…」


事の全容を理解したのだろう。
赤くなったり青くなったり思い出したような顔をして納得したりと忙しそうだ。