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すべての生き物に愛を求めて
第4章 森の主
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「…もう、行くのか?」
「すみません。まだまだ世界を回らなければいけませんので…」
シェンは身仕度を整えてから、妾の左手を取り、青い綺麗な石の付いた指輪を薬指にはめた。
「これはサファイアというフレイアの目と同じ色の宝石です。この指輪に念じると、私とだけ念話ができます。それと、フレイアに何かあったときに直ぐにわかりますので、必ずつけておいて欲しいです。」
「綺麗な色じゃな…」
「えぇ。だから私もフレイアの目が大好きなんです。」
「シェン…」
どちらともなく交わした口付けは何処までも深く、何処までも甘い…。
だが、それはシェンによって終わらされた。
「では、行きます。
子供が産まれるときには必ず連絡してくださいね!
直ぐに飛んできますから。」
「そなたがおらぬのに、子など何時になることやら。」
「大丈夫。今年中に産まれますから。
約束ですよ?絶対に呼んでください。」
では、と言って額に口付けしたかと思うと、シュン!と消えていった。
何処かに転移したようだが、この森にはいないようだ。
誠、不思議な奴よのう…
そんなことを考えていると、『トクン、トクン、』と言う音が2回、体の中から聞こえた気がした。
お腹を触り、幸せを噛み締める。
シェン… 直ぐに会えそうじゃな。