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僕の大事な眼鏡さん。
第1章 誰か好きな人はいますか?
日曜日、ダラダラ過ごす。
 スマホの、無料アプリゲームを朝から晩までやり尽くし夜中に突入。

 そのまま、月曜日を迎え変な時間に寝てはいかんと、早朝大学の門をくぐる。

 講義まで時間があるから、天文サークルの部室に行って仮眠でもするか。

 流石に七時過ぎ、誰もいないだろう。

 校舎端にある、部屋に入ろうとしてドアノブに手をかける。ん?何か物音がする。

 たまに先輩達が夜中の天体観測後に酒盛りなんかして、泊まることがあるからな。

 でも、なんだか様子がおかしい。

 ドアをちょっとだけ開ける。

「…あっ…っ。」

 奥の衝立の方から、ギシギシとスプリングの音がリズムを刻んでいる。その律動と一緒に、女のせつない喘ぎ声が響いている。

 誰か朝からヤってるよ。

 こっちは徹夜明けで、静かに寝たいんだけど。

「…やぁ、んっ。安藤君、もっと…。」

 安藤。安藤かぁ。朝から張り切ってるなぁ。

 ってか、相手は誰だろう。

 ちょっと、腹が立ってきて部屋が揺れるくらいにドアをバン、と開けた。

「…きゃあっ。い、やだぁ誰、誰か来たよぉ…あんっ、あんっ、あんっっ。」

「う、誰だよ。ちょっと、待ってろ。…ほら、腰振って…もっと。」

 もうすぐ終わるから待てと?

「いやん、んっ。あんっ、も、もう…っ。」

 さっきよりも、軋む音が激しくなる。

「…ふっ、ほら…逝く、っ。あっ…はあっ。ああっ。」

 荒い息づかいと、服の擦れる音がする。しばらくすると衝立に当たりながら、上半身裸の男がヨレヨレと出て来た。

 金髪の髪に、無精髭。身体中キスマークを付けた、安藤公彦だった。

 ボクサーパンツとジーンズを整えながら、僕を見るとニヤニヤ笑う。

「秀太か。はやくね?来んの。」

「徹夜しちゃって、仮眠しようと思って来てみた。てか、部室でヤるなよ。」

 僕はボロいソファに寝転んで、目を閉じる。

「…秀太君…?」

 衝立から声がする。今まで、安藤の相手をしていたのは同じ天文サークルの二つ上の先輩、間原美咲だった。

「…マジっすか。」
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