この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
【マスクド彼女・序】
第3章 一日目【彼女との戒律(ルール)】

レポートを纏め終え。席を立つと調べた資料を、書棚に返す。
近くの窓ガラスに映る自分の姿に、ふと目を止めた。
「……」
女友達から「子供っぽい」なんて良く言われるが、それは褒め言葉なのだろうか。背は割と高いから、踵の高い靴は履いたことはない。
こうして客観的に眺めると、何処となくアンバランスに思えた。
先輩は私を――どんな風に、見ていたのかな?
期せずして覚えた問いに、答えなんてなかった。もう知る機会すら、ないのかもしれない。そんなことが少しでもわかればと、思い切って誘ってみたのだ――けれども。
別に気持ちを伝えようなんて、そこまで思い詰めた訳ではなかった。それは今、ガラスに映った自分と同じで、とても中途半端な想いだった。
じゃあ、このまま、なかったことに、する?
正直の事情は、何となく知れている。でも――
「それは、嫌……だな」
璃子は、ポツリと呟いた。
近くの窓ガラスに映る自分の姿に、ふと目を止めた。
「……」
女友達から「子供っぽい」なんて良く言われるが、それは褒め言葉なのだろうか。背は割と高いから、踵の高い靴は履いたことはない。
こうして客観的に眺めると、何処となくアンバランスに思えた。
先輩は私を――どんな風に、見ていたのかな?
期せずして覚えた問いに、答えなんてなかった。もう知る機会すら、ないのかもしれない。そんなことが少しでもわかればと、思い切って誘ってみたのだ――けれども。
別に気持ちを伝えようなんて、そこまで思い詰めた訳ではなかった。それは今、ガラスに映った自分と同じで、とても中途半端な想いだった。
じゃあ、このまま、なかったことに、する?
正直の事情は、何となく知れている。でも――
「それは、嫌……だな」
璃子は、ポツリと呟いた。

