この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
【マスクド彼女・序】
第3章 一日目【彼女との戒律(ルール)】

すなわち、それらの相手をせよと申し込まれた、正直。
「あ、うん。いいけど」
やや不思議に思いながらも、とりあえず頷く。
同じく時を過ごすならば、何もしないよりも、それら遊戯に興じていた方が遥かにましだろう。何故そんなことをするのかという疑念は、一先ず棚上げすることにしたのだ。
「だけど、意外だね」
「意外?」
「若いのに、割と渋い趣味なんだなって」
「別に……」
唯は顔をプイッと背けたが、特に不快を顕わにした訳ではなさそう。
そして何気なく用いた「若い」という言葉を、それとなく受け入れていることから、少なくとも自分より年下なのだろうと正直は思った。
そんな些細な点から、何かを探ろうとして、正直はまた言葉を重ねる。
「こういうの、誰に教えてもらったの?」
しかし――
「全て、ネットでの対戦のみ……。生身の人間を相手にするのは、今日が初めてです」
「そ、そう……」
唯の言葉から漂ったのは、またしても孤独の匂いだけ……。

