この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
【マスクド彼女・序】
第3章 一日目【彼女との戒律(ルール)】

その結果――。
「私の――勝ちですね」
唯は、囁くように言った。
改めて言葉で伝えられるまでもなかった。勝ち負けは明白。盤上に残る正直の白石は、たったの四つだけ。あとは一様に、真っ黒な石で埋め尽くされていた。
「も、もう一度……いいかな?」
その惨敗を受け、正直が訊くと――
「ええ、もちろん」
唯は静かに、それに応じる。
唯の力量を軽んじ、油断したとの想いがあった。再度対戦すれば、同じ結果にはならない筈と……。
しかし、そうして挑んだ二局目はおろか。その後の十局を超える対局の中で、正直は只の一度さら勝利を収めることは叶わなかった。
それ程までに、実力差を示されてしまえば――
「まるで適わないよ。俺の完敗だ……」
自然と頭をたれながら、素直にそれを認めるしかない。
「私の――勝ちですね」
唯は、囁くように言った。
改めて言葉で伝えられるまでもなかった。勝ち負けは明白。盤上に残る正直の白石は、たったの四つだけ。あとは一様に、真っ黒な石で埋め尽くされていた。
「も、もう一度……いいかな?」
その惨敗を受け、正直が訊くと――
「ええ、もちろん」
唯は静かに、それに応じる。
唯の力量を軽んじ、油断したとの想いがあった。再度対戦すれば、同じ結果にはならない筈と……。
しかし、そうして挑んだ二局目はおろか。その後の十局を超える対局の中で、正直は只の一度さら勝利を収めることは叶わなかった。
それ程までに、実力差を示されてしまえば――
「まるで適わないよ。俺の完敗だ……」
自然と頭をたれながら、素直にそれを認めるしかない。

