この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
【マスクド彼女・序】
第3章 一日目【彼女との戒律(ルール)】

よって正直は、その後も唯とゲームの対戦を続けてゆく。オセロだけでなく、将棋やチェスでも唯に挑んだ。
それが人との触れ合い第一歩になるのならば、とことん付き合ってみようとの考えから。
しかし当然ながら、それらゲームの技量差は既に明らかである。
「王手です」
「あ……!」
辛うじて自信のあったオセロの結果を鑑みれば――
「チェックメイト」
「ううっ……」
それはやる前から、わかっていたことだ。
どれ一つ、全く相手にならない……。
如何にそれが彼女を慮っての行為とはいえ、乾布なきまでの敗戦が悔しくない訳はなかった。それに加え――
「ふ・ふ・ふ――まだ、挑戦いたしますか? 私はもちろん、かまいませんが」
唯の得意げな態度がイチイチ、その苛立ちに拍車をかけてくれる。
「くっそぉ……」
そうした時、不意に正直は――ある提案をした。

