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【マスクド彼女・序】
第3章 一日目【彼女との戒律(ルール)】
次のターンは、正直ではあるが――。
既に手札が尽きていることから、提示カードを山札より補わなければならない。更には自分もそのカードを確認することなく『HIGH』『LOW』の宣言することが求められていた。
それは全て、正直自身が定めたルールだ。
下手を打てば、宣言と同時に勝敗が決する、この場面を前に――
「……」
正直の緊張感も、否応なく高まっていた。
そして――
「――――HIGH!」
正直はそれを口にし、勢い引き寄せたカードをテーブルの上に叩きつける。
――パシィ!
【♤K】
カードが顕わになった、その瞬間――。
「――!?」
唯の纏う空気が、ピリリッと凝り固まった――そんな感覚を覚え。
正直は自身の優位を――確信した。