この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
【マスクド彼女・序】
第3章 一日目【彼女との戒律(ルール)】

 意味もわからず唖然とする正直に、更に唯は言うのである。


「すなわち、正直さんはサタンの誘惑に、その身を委ねてしまったのです。ですから、この勝負は――正直さんの負け」


「だから! どうして、そうなる?」


 この時点で正直が理解したのは、唯の言うサタンというのがジョーカーを指し示す、ということぐらいだった。

 それを引いたことが何故、敗北と直結するのか。全く合点のいかない話だと、そう思っている。

 しかし――ふっと小さなため息を吐いた唯は、続いてこう言うのだ。


「納得いただけないようなので、もっと端的な根拠を述べさせていただきます。正直さんがご自身で示したルールの中に、ジョーカーを想定したものは含まれていなかった――そうでしたね?」


「そ、それは、確かに……」


「つまり、それは正直さん側(サイド)の落ち度。判断のつかない今の状況を生み出してしまったこと。その責任を負うのは、少なくとも私の側(サイド)ではない筈ですが?」


 うっ……!


 先程の抽象的な話とは異なり、今、唯が話した内容は正しく正論である。

 トランプにジョーカーが含まれるのは常識。その上、唯は「ババ抜きでも――」とそんな提案すらしていたのだ。急遽ルールを考えたとはいえ、それを失念したのは正直の怠惰であろう。

 一切の抗弁の余地もなく、正直にはぐうの音も出せなかった。

 その様子でその心中を察し、唯は再びそれを告げるのである。


「つまり、勝者は――この私です」


/220ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ