この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
【マスクド彼女・序】
第4章 二日目・三日目【微弱な引力の作用】
「エデン……?」
と、それを聞いて。なんとなく、何かを察する。
否、はっきりとわかることは一つもない。だが、正直が例のチラシを見て、何処かに至った場所が其処だというのならば。
今、相手している、その話の内容は見えなくとも、璃子は自分の危惧している最悪の状況ではないように、そう思うことができた。
声の彼女は目的があって、正直と其処に在る。何も先の自分を驚かせた言葉のみに、それを集約させるものではないが。彼女の言いようから判断すれば、未だ目的には至っていないことは、そうと知れていた。
少なくとも、この女(ひと)は、先輩の恋人とかでは――ない。
璃子は思い、その上で話を続ける。
「あの――詳しいことは存じませんし、もう伺いもしません」
彼女の語り具合から、それを望むことはできないとの判断。
「ですが一つだけ、お答えいただきたいことがあります」
『それは――?』
声は聞く姿勢をとった。ならば、さっきの様に無下に流せれもすまい。
そう踏まえ、璃子はこう問うた。
『貴女と真矢先輩は、どの様なご関係なのですか?』