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【マスクド彼女・序】
第4章 二日目・三日目【微弱な引力の作用】

「エデン……?」


 と、それを聞いて。なんとなく、何かを察する。

 否、はっきりとわかることは一つもない。だが、正直が例のチラシを見て、何処かに至った場所が其処だというのならば。

 今、相手している、その話の内容は見えなくとも、璃子は自分の危惧している最悪の状況ではないように、そう思うことができた。

 声の彼女は目的があって、正直と其処に在る。何も先の自分を驚かせた言葉のみに、それを集約させるものではないが。彼女の言いようから判断すれば、未だ目的には至っていないことは、そうと知れていた。


 少なくとも、この女(ひと)は、先輩の恋人とかでは――ない。


 璃子は思い、その上で話を続ける。


「あの――詳しいことは存じませんし、もう伺いもしません」


 彼女の語り具合から、それを望むことはできないとの判断。


「ですが一つだけ、お答えいただきたいことがあります」


『それは――?』


 声は聞く姿勢をとった。ならば、さっきの様に無下に流せれもすまい。

 そう踏まえ、璃子はこう問うた。


『貴女と真矢先輩は、どの様なご関係なのですか?』

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