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【マスクド彼女・序】
第4章 二日目・三日目【微弱な引力の作用】
『彼との、関係――?』
「ええ」
短く発し、璃子は小さく喉を鳴らし、その返答を待った。
すると――
『男と女』
「――?」
『それだけで、十分。それさえ確かならば、後はエデンが二人を導く筈です』
「……」
またしても、その言葉は意味不明。しかし一方で、煙に巻かれているのとも違う。璃子はそう感じ、ほんの微かなヒントを足懸りとし、まだ見えない闇の最中にその手を伸ばそうとした。
「わかりました。だけど――私は、それに承服するわけにはいきません」
璃子は敢えて高らかに、そう宣する。
それは反撃の開始だ。そして――
『何故? 貴女に承服していただく必要など、ございませんが』
相手の声音が、微妙にそのトーンを変える。