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【マスクド彼女・序】
第2章 前日【楽園からの誘い】
「今日の合コン――密かに狙ってる娘がいるんだけど。俺がその娘といい感じになるように、お前がフォローに徹してくれよ。もし上手くいったら、今日の参加費も合わせ纏めて面倒見てやるからさ」
「マジで?」
「さっき断ったのも、金が無いからなんだろ? 合コンにも行けた上に、金も借そうと言ってるんだ。最高の条件だと思うけど」
「た、確かに……」
正直は大きく頷くと、三嶋の申し出を有難く受けようとしていた。
しかし、その時――。
「――!」
ふと目を止めていたのは、テラスに現れた一人の学生。どうやらそれは、顔見知りの女の子らしく。
「じゃあ、決まり。六時に駅前集合で、よろしく」
と、三嶋が話を纏めかけた矢先。
「悪い……やっぱ、よす」
正直は思い詰めたように、改めてキャンセルの意を伝えていた。