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【マスクド彼女・序】
第2章 前日【楽園からの誘い】
やばい。俺、餓死する……。
正直の脳裏は、愚かなまでに単純な結論への飛躍を果たす。そしてそうした時に、彼が取った行動とは――。
「――あ、母さん。俺だけど――」
スマホを片手に通話を開始。呼びかけから、その相手は明白となろう。何のことはない。正直は親に泣きくつもりである。
挨拶もそこそこに交わすと、通話内容は本題へと進む。
「――それでさ、言いにくいんだけども。実は今月――」
声のトーンを低く、そう言いかけた矢先のこと。母親の察しは、実に素早かった。
『――で、幾ら必要なんだい?』
その対応に、唖然としながらも――
「え? に……いや、三万ほど」
正直は即座に、必要金額を母に告げるが……。
正直の脳裏は、愚かなまでに単純な結論への飛躍を果たす。そしてそうした時に、彼が取った行動とは――。
「――あ、母さん。俺だけど――」
スマホを片手に通話を開始。呼びかけから、その相手は明白となろう。何のことはない。正直は親に泣きくつもりである。
挨拶もそこそこに交わすと、通話内容は本題へと進む。
「――それでさ、言いにくいんだけども。実は今月――」
声のトーンを低く、そう言いかけた矢先のこと。母親の察しは、実に素早かった。
『――で、幾ら必要なんだい?』
その対応に、唖然としながらも――
「え? に……いや、三万ほど」
正直は即座に、必要金額を母に告げるが……。