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【マスクド彼女・序】
第2章 前日【楽園からの誘い】
しかしながら、相手の第一声は実に意外なものであった。
『お……お待ちしておりました』
「え……?」
その若い女の声は、微かに震え消え入りそうな響き。周囲が騒がしい場所であったなら、聞き取れなかったに違いない。
そして――コホン、と。スマホ越しに、咳払いが一つ。それから幾分、声に張りを持たせると、相手の女は正直に命じた。
『では、まず面接を――今から申し上げる場所に、すぐにいらしていただきます』
「は?」
その忙しい展開に、唖然とする正直。
「ちょ、ちょっと、待ってください。その前に――」
『いいから、メモを取ってください。一度しか、申し上げませんから』
「え、だけど……」
『早くして!』
「は、はい……」
一気に強気と表した女の勢いに押され、正直は急ぎレポート用紙とペンを用意。そして、相手が言う住所を、とりあえずそこに書き留めた。
『お……お待ちしておりました』
「え……?」
その若い女の声は、微かに震え消え入りそうな響き。周囲が騒がしい場所であったなら、聞き取れなかったに違いない。
そして――コホン、と。スマホ越しに、咳払いが一つ。それから幾分、声に張りを持たせると、相手の女は正直に命じた。
『では、まず面接を――今から申し上げる場所に、すぐにいらしていただきます』
「は?」
その忙しい展開に、唖然とする正直。
「ちょ、ちょっと、待ってください。その前に――」
『いいから、メモを取ってください。一度しか、申し上げませんから』
「え、だけど……」
『早くして!』
「は、はい……」
一気に強気と表した女の勢いに押され、正直は急ぎレポート用紙とペンを用意。そして、相手が言う住所を、とりあえずそこに書き留めた。