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【マスクド彼女・序】
第2章 前日【楽園からの誘い】
同じ日の午後六時前。夕刻の駅前通りは、行き交うサラリーマンや学生たちの雑踏で俄かに賑わい始めている。
正直が通う大学の最寄駅は、都心からやや離れた場所に位置。大都会とは異なり、駅前の商店街にも自然な生活臭が漂っていた。
此処での暮らしも、既に三年余り。正直もすっかりこの街に馴染むと、愛着を覚えている。
だが、今は――
「はあ……はあ……」
そんな街並みに目をもくれず人混みを掻き分けると、正直は駅舎を目指しひた走っていた。
そうして、駅のすぐ近くに辿り着いた時。
「オイ、正直――結局、来たのかよ?」
聞き慣れた声が、正直を呼び止めた。
其処に居たのは、三嶋。見るからに洒落たファッションに身を包むと、正直にニヤリとした笑みを向けている。
そう言えば、合コンの集合もこの時間だっけ……。
そんなことを思い出しながらも、正直は幾分面倒そうに三嶋に答えた。
正直が通う大学の最寄駅は、都心からやや離れた場所に位置。大都会とは異なり、駅前の商店街にも自然な生活臭が漂っていた。
此処での暮らしも、既に三年余り。正直もすっかりこの街に馴染むと、愛着を覚えている。
だが、今は――
「はあ……はあ……」
そんな街並みに目をもくれず人混みを掻き分けると、正直は駅舎を目指しひた走っていた。
そうして、駅のすぐ近くに辿り着いた時。
「オイ、正直――結局、来たのかよ?」
聞き慣れた声が、正直を呼び止めた。
其処に居たのは、三嶋。見るからに洒落たファッションに身を包むと、正直にニヤリとした笑みを向けている。
そう言えば、合コンの集合もこの時間だっけ……。
そんなことを思い出しながらも、正直は幾分面倒そうに三嶋に答えた。