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第2章 前日【楽園からの誘い】

「なあ――また後で、詳しく聞かせろよ！」


　そそくさと駅に向かう正直の背中を、三嶋はそんな言葉で送った。

　すると――


「――ン？」


　三嶋は、ふと気がつく。

　つい今まで正直が立っていた場所に、何やら紙切れのようなものが落ちていた。クシャクシャに丸められた形跡があり、ほぼゴミ同然に見える。


「アイツの――か？」


　それでも、そう呟きながら。

　そのピンク色の紙切れを、三嶋は拾い上げていた。