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【マスクド彼女・序】
第2章 前日【楽園からの誘い】
いや、たぶん返してくれないんだ――と、正直は思う。
「外界との接触の一切を遮断していただきます」――との彼女の強い言葉が、それを示していた。
入って来たドアへ向かうと、そのドアノブを掴む。が、捻ろうとするもガチッと強固な感触を得る。どうやら中よりは、開かないらしく。
つまり、正直は閉じ込められていた。
「……」
そうとわかりながら、しかし正直は不思議とショックを感じてはいない。
部屋のドアの右手には、もう一つの扉があり。そっちはスンナリと開く。其処には、洗面台と便座、そしてシャワーカーテンに仕切られたバスタブ。
すなわちユニットバスは、改築されたばかりのように、何処か真新しい匂いがしていた。それが何を示すのか今はわからないが、少なくともこの部屋が最低限の生活スペースであることは間違いなさそうだ。
正直は部屋に戻ると、今度はチェストやラックを開こうと試みる。だが、どちらも鍵がかかっていて、それらも中を確認することはできなかった。
「外界との接触の一切を遮断していただきます」――との彼女の強い言葉が、それを示していた。
入って来たドアへ向かうと、そのドアノブを掴む。が、捻ろうとするもガチッと強固な感触を得る。どうやら中よりは、開かないらしく。
つまり、正直は閉じ込められていた。
「……」
そうとわかりながら、しかし正直は不思議とショックを感じてはいない。
部屋のドアの右手には、もう一つの扉があり。そっちはスンナリと開く。其処には、洗面台と便座、そしてシャワーカーテンに仕切られたバスタブ。
すなわちユニットバスは、改築されたばかりのように、何処か真新しい匂いがしていた。それが何を示すのか今はわからないが、少なくともこの部屋が最低限の生活スペースであることは間違いなさそうだ。
正直は部屋に戻ると、今度はチェストやラックを開こうと試みる。だが、どちらも鍵がかかっていて、それらも中を確認することはできなかった。