この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
【マスクド彼女・序】
第2章 前日【楽園からの誘い】
「あ……」
と、声を上げたのは『約束』というキーワードで、思い浮かべた顔があったからだ。
それは――新垣璃子の顔。
「……」
自分は、約束の場に行くことができなかった。折角、誘ってくれたのに……。行きたかったのに……。
璃子は、どうしただろうか。待ちぼうけて、きっと呆れて帰ってしまったろう。
結局連絡すらできずに、意味もわからずこうしてる自分に対して、正直はどうしようもなく焦れた。
大事な用事をすっぽかして、俺はこんな場所で……ホントに、何をしている?
改めて自身の行動に疑問を覚え、正直はテーブルの上に突っ伏した。