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【マスクド彼女・序】
第1章 プロローグ
突如――。
「う・ふ・ふ・ふ」
その何とも言い様のない笑い声は、パーテーションの奥より薄気味悪く響いた。
「は――?」
それを耳にした青年は唖然としながらも、些かムッと顔をしかめる。
仮に免許証の写真を見て笑ったのだとしたら、それは心外だった。青年にしてみれば、割と写りもよく気に入ってさえいる。
その感情のまま、青年は理由を問うた。
「何か、可笑しいですか?」
「コホン――失礼」
すると、彼女は小さな咳払いに続き、一応の詫びの言葉を口に。そしてそれから青年に対する、審査の結果を伝えた。
「とりあえず、貴方を――合格とすることにいたします」