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【マスクド彼女・序】
第3章 一日目【彼女との戒律(ルール)】

    ※    ※


 唯がロックドルームと呼称する――正直の個室。

 其処へ戻されていた正直は、バスルームのシャワーで汗を流していた。


「昼食の時間までには、またお呼び致します」


 その言葉を受け、部屋に返ると同時。ガチッと音がして、ドアの施錠がなされた。仕組みはわからないが、鍵の開閉については、おそらく唯により操作されている。

 つまり、此処はそういう部屋なのだ。唯の方に用がない限り、正直は此処へ閉じ込められる、ということ。個室とするより、寧ろ待機室の意味合いを感じさせていた。

 そして、また例のけたたましい音で、正直は呼び出されることとなるのだろう。

 よってそれまでは、とにもかくにもすることがない。そんな訳で、昨夜には浴びなかったシャワーを、今になって済ませているのだった。

「……」

 そうしながら、正直は先程の唯との会話をまた反芻する。




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