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【マスクド彼女・序】
第3章 一日目【彼女との戒律(ルール)】
※ ※
場面は移り、此処は正直が通う大学の図書館。
大学構内に併設される其処は、学生のみならず地域の蔵書としても活用される。夏季休業に入ったこともあり、今は様々な年代の一般利用者の姿も見られた。
そんな環境において。その一角にある学習スペースに分厚い専門書を積み重ねて座っている、その姿。
新垣璃子は――懸命に勤勉に、レポートを書き連ねていた。
しかし、ふっと集中が途切れて。
「ふう……」
頬杖をついた璃子は期せずして、そんなため息をついている。
そして、傍らに置いたスマホを手に、少し前に受信したメールをもう一度確認。
『今後一切。心配も連絡も無用にて、お願い致します』
待ちわびた『先輩』からのメールは、何とも言い様もなく。
璃子の感情を、ざわめかせた。