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【マスクド彼女・序】
第3章 一日目【彼女との戒律(ルール)】
決して悪気のないであろう三嶋のその一言が、璃子の繊細な部分を容赦なく抉った。
それを拒絶されているから、こうして――けれど、だからとはいえ探るような真似をする自らの行為をも嫌悪させられていたのだ。
その様に心を痛めた瞬間、璃子は自然と訊く予定のなかった、その質問を口にしている。
自分に止めを刺したかった――敢えて言うのならそれは、そんな心境から。
「真矢先輩って……彼女が、いらしゃるのですね……?」
『は? いやいや、いないでしょ。だって、アイツは――』
三嶋は続けて話していたが、その内容を璃子の耳は聞こうとはしなかった。
「では、これで」
『え、ちょっと。新垣さ――』
――ピ。
「……」
璃子は、そこまででその通話を終わらせている。