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【マスクド彼女・序】
第3章 一日目【彼女との戒律(ルール)】
昨夜の電話に出た声は、若い女性。それに加え先程、届けられていたメールの文面は、どう考えても正直のものとは思えなかった。
きっと、自分を疎ましく思って……。そんな女の存在が、現在の正直のすぐ近くにあるとこを感じない訳にはいかずに……。
確かめるまでも、なかった……の、かな?
璃子はダメージを引き摺ったまま、呆然とした足取りで元の席へと戻る。
だが席に着いても、その前に積み重なる幾多の資料に、目を通す気にはなれなかった。
「……」
璃子はふと、自分の中に在る正直への淡い気持ちを確かめようとする。