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・辿りつく 先には・
第15章 『帰路』
出来る事をしようと思った。今、出来る事を。

・三日間、あっという間だったけど楽しかったね。わざわざ新幹線で、来て下さりありがとう。今度はそちらに行く、計画を立てるの楽しみね。また一緒にご飯、食べようね~。いっぱい、いっぱい、ありがとうございました。・

送信されたメール。エレベーターを降りる。

・僕も楽しかった。いい気分転換になって、絢音の逝き顔 沢山見れたし。今度は守山においで、色々違う西の風景を見せてあげる。・

・西は昔に京都に行ったくらいで、それ以来かな。夏に連休があるし、良かったらそこで。・

・計画を立てれるのが楽しいやん、今回は本当に色々ありがとう・

・わざわざ来てくれたのは聖よ。不思議なご縁で、なんだかやっぱり現実じゃなく夢みたいな三日間だったけど・

・ほんま、溝に入りこんだ気にはなるなぁ。二人だけの世界はどうやった?・

それにちょっと笑ってしまう、思い出しては顔がほてる。

・今まで味わったことのない、究極の快楽だったわ。あんな世界を知ったら聖としか出来ない・

・絢音は僕の奴隷なんだから、ええんだよ。ずっと抱いたるから・

それにまた、下半身がずきんと音をたてる気持ちがした。

・気をつけて、帰って。帰ったらまた少し電話しましょう・
・着いたらかけるよ・

・待ってる。少し眠って、疲れたでしょうから・

・ありがとう、後で・

・後でね~・

携帯を握りしめ、自分も地下鉄に乗った。手の中が温かい。
聖がくれた、絶対支配の中の愛が自分をこんなにも変えたのを知り驚きと戸惑いがあった。

だが確実に、安心と喜びは胸に生まれた。精神がいつも脅かされ、悲しい思いが心をうめた。

ゆっくりと自分も自分を取り戻して行けばいいのだとそう思った。

粉々にされた心を再生し、ありとあらゆる力によって心を整えた。

自分が自分を辞めてはいけないのだから。

愛そうと、今度こそ自分に負けないで愛を貫こうとそう思ったのだ。

ゆっくりと時は流れ余韻は身体に残っていた。
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