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第18章 『発見』
愛して、愛して、愛しているように見せて最後は飽きたからと捨てる。


ただ、黙ったまま放置をされ戸惑う女達を見てもなんの感情もなく魔王の気持ちは漣なのだ。

それがどんなに、残酷であり残忍なのかは魔王には分かる訳がないのだ。

自分が求める快楽、その快楽からしか生きている事を感じられない。自分を求められる、事の中にそれを見出だしてきたのだから…

その無意識の感情の中で、女を愛する気持ちと言う事で生きているのだ。

それが聖の生き方だった。理解することをしなければ、今まで立ち去った女達と同じ運命を辿る事になるだろう。

誰よりも聖を求め、誰よりも聖の魂に近く。それだけを望むしかなかった。

自分の持てる愛を、今度こそ貫き一生を賭けたいそう思えたのだから…

あんな孤独だった、私の魂を救い身体を作り替え魂に炎を燈してくれた魔王。

聖は私が生きてきた時を破壊しそして再生してくれたのだ。
それがいつまでも続く訳がない事を分かっていた。

後、三日。聖を見て感じて帰らなくては…待つのは私にも、辛い現実だった。

聖は辛い女達の心に入り込む魔王なのだ。

悲しみや苦しみを持った女達を救いながら、餌食にしている。

必ず喰われないで、自分の魂を持ったまま帰ろう。そう強い決心を持った絢音だった。

間違ってはならない、私が私の意志で此処に着たのだと言う事を。

翻弄されず、自分の愛を忘れないで。そう考えベッドから跳ね起き、仕事をする事にした。


絵を描き、心を整える。魂は安らぎ気持ちは整えられた。


夜を待つ、絢音。美味しい物を作り、今出来る全てを聖に向けよう。


私は私の愛し方でしか、愛せないのだから…

魂を賭け、この愛を全身全霊で貫く。激しい愛しか持て無かった。

常に常に、人を欲しがって…

誰よりも人を憎み、誰よりも人を欲しがり聖よりも卑劣なのはきっと自分だと。
だが、もういいのだ。それが自分だ。聖の魂が欲しいと、心からそう思った。

指の先から想いは溢れ、絵は美しい色を織り成す。この愛を想い、時の中に身を委ねる。

聖の帰りを待ちわびながら…



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