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・辿りつく 先には・
第19章 『絶対』
今まで男の人に気遣いをされた事があまり無かった様な気がする。自分が気遣いをする事はあっても。
聖は女慣れしてるからもあったが、女性への気遣いが上手い。何も言わないのにワインを買ってきてくれたり、買い物に行けば荷物を先に持ってくれたり。
ようはレディファーストが、出来ているのだ。日本人の男性には欠ける、部分がある。
女性を手に入れる為に、上手くなったのか元から身に付いていたのかは分からないが、あまりそんな扱いを受けなかったから気恥ずかしい気持ちが沸く。
「そうだ、絵を見せて。パスタも凄く美味しい、ありがとう。」
聖はありがとうの言える人なんだなと、そう思っていた。こんな小さな事がとても嬉しかった。
今、ただの同居人に成り果てた人からはありがとうを言われた記憶も余り無い。
Sketch Bookを手渡す。絵は書き始めたばかりで人に見せた事があまり無かったので気恥ずかしい気持ちが沸く。
ページをめくると、こちらへ来てと言われ反対側の聖の横に座ろうとしたらあぐらの真ん中を指さされた。
恥ずかしい気持ちで、戸惑っていたら膝下を掬い取られすっぽり足の間に入れられた。
聖のコミュニケーションは常に肌が触れ合う距離にいる事なのだと分かる。
「この風景は?」
「三月貴方に会う前に姉の仕事の関係で、ドーハにいたから旅行をした話をしたでしょう。トルコも行きたかったからそちら経由で。」
「ああ、お土産をくれた。ラクダ、飾ってあるよ。」
「後で見せてね。その時の窓から見える風景を絵日記みたいな気持ちで描いていたの。記録になるかなと。」
「馬が見えたの?」
「馬を育てるとこで、広い敷地に沢山いたわ。朝の四時まだ暗い、時間から現れる青年がいて皆、出稼ぎに来てる人々なのよね。」
「絢音の世界はほんまに面白いわ。現実にいるのに、色々な体験をしている。普通に生活している僕には刺激や。」
「私も普通に生活してるんだけど、皆にはどうやら私の普通は普通じゃないみたい。」
「そりゃあそうや。トルコはありとしてもドーハなんてなかなか行かへん。旅行はいいね。」
「明日は何処に連れて行ってくれるの?」
「醍醐寺、お寺とか見るの好き言うたから。琵琶湖も見たらええ、綺麗だから。」
聖は女慣れしてるからもあったが、女性への気遣いが上手い。何も言わないのにワインを買ってきてくれたり、買い物に行けば荷物を先に持ってくれたり。
ようはレディファーストが、出来ているのだ。日本人の男性には欠ける、部分がある。
女性を手に入れる為に、上手くなったのか元から身に付いていたのかは分からないが、あまりそんな扱いを受けなかったから気恥ずかしい気持ちが沸く。
「そうだ、絵を見せて。パスタも凄く美味しい、ありがとう。」
聖はありがとうの言える人なんだなと、そう思っていた。こんな小さな事がとても嬉しかった。
今、ただの同居人に成り果てた人からはありがとうを言われた記憶も余り無い。
Sketch Bookを手渡す。絵は書き始めたばかりで人に見せた事があまり無かったので気恥ずかしい気持ちが沸く。
ページをめくると、こちらへ来てと言われ反対側の聖の横に座ろうとしたらあぐらの真ん中を指さされた。
恥ずかしい気持ちで、戸惑っていたら膝下を掬い取られすっぽり足の間に入れられた。
聖のコミュニケーションは常に肌が触れ合う距離にいる事なのだと分かる。
「この風景は?」
「三月貴方に会う前に姉の仕事の関係で、ドーハにいたから旅行をした話をしたでしょう。トルコも行きたかったからそちら経由で。」
「ああ、お土産をくれた。ラクダ、飾ってあるよ。」
「後で見せてね。その時の窓から見える風景を絵日記みたいな気持ちで描いていたの。記録になるかなと。」
「馬が見えたの?」
「馬を育てるとこで、広い敷地に沢山いたわ。朝の四時まだ暗い、時間から現れる青年がいて皆、出稼ぎに来てる人々なのよね。」
「絢音の世界はほんまに面白いわ。現実にいるのに、色々な体験をしている。普通に生活している僕には刺激や。」
「私も普通に生活してるんだけど、皆にはどうやら私の普通は普通じゃないみたい。」
「そりゃあそうや。トルコはありとしてもドーハなんてなかなか行かへん。旅行はいいね。」
「明日は何処に連れて行ってくれるの?」
「醍醐寺、お寺とか見るの好き言うたから。琵琶湖も見たらええ、綺麗だから。」