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・辿りつく 先には・
第7章 『契約』
ゆっくりと夜がやって来る。見送りをしてから、近隣のショッピング街を少しうろうろとしてみた。
見送る前には、路上だと言うのに見たい奴等には、見せておけばいいと行ってきますのキスを唇に残して行った。雰囲気や物越しが柔らかい分、関西でもちょっと京都に近いからなのかと考えていた。
あの物越しのせいで、だからこそこんな事をしない人だと思い 不意をつかれては心臓が跳びはねる。

本当に今まで、愛してばかりいてあまり情熱的になど愛された事が無かったのだと思い知らされる。
気付いたらもう10年もの、時が流れてしまった。

私は愛してそれだけで生きれる、そう思ってきたのはこんな風に一瞬にして打ち崩かれてしまったのだ。

でも、その10年が無かったら 今の私は此処にはいなかった。

悩み悩んで、他の男性に会いに来てしまったのだから。

私の本当に悪い癖だった。上手く行かなくなると、他の人を目にして本当にいいのかを考え 環境から逃げ出して行くのだ。

一度目の離婚も、そうだったが一生お金の事で苦しむのは出来なかった。

そんな悩みを持っていた時に、流産までしてしまい心は粉々に打ち砕かれた。もうご縁がないのだと、考えていた矢先 借金を抱えていた相手は 会社のお金までも手出しをした。

人間として、最悪なる事をしてこの生真面目な私が許すはずはなかった。

鞄一つで駆け落ち同然で、出た結婚生活は四年半で終わった。

だから次はお金に困らない人を選んで、今度こそ幸せになるのだと頑張ってしまった。

だが、感じる心一つ違い生き方、自体が丸きり別で 話しの食い違う事が多く 心はすれ違いばかりになる羽目になった。

何が悪かったのかと自分を責める内に、気付くとそこは闇だけがあった。

病気から上がれたきっかけには色々あったが、絵を描けた事で沢山の悲しみは流れ それを見た友人達が支えてくれた。

みんなに愛される自分を、少しは自分自身がそろそろ可愛がらなければ 友人達にも失礼な気さえした。



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