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・辿りつく 先には・
第7章 『契約』
ビーズで作られたそれは、美しい形だった。絢音の白い肌に栄える薄い紫のスワロフスキー。まるで藤の花を、散らしたかのようだ。
それに合わせた、薄い桃色と紫のグラデーションのワンピース。
見上げながら囁く、眼鏡を外していたので眼差しが鋭く心に突き刺さる。
「僕の為だけに、美しくしてくれたんやな。今日だけは、僕だけを見て感じて。絢音からキスをして、まだされてへん。」
それに困った顔を、隠さなかった。下を見ても、見つめる瞳から目を逸らす事は出来なかった。
「また、そんな無茶な事ばかり。」
「愛してる、絢音。だから、唇に誓いを。」
どうやって、逆らっていいのかなどもう分からなかった。ゆっくりと、それはまるでスローモーションの様に引き寄せられる。絶対的な力で魔王の呟きは、心を離さなかった。
二人の影が重なる。絢音からの口づけにより、彼女はそれが服従の契約だと知らずに唇を奪われ心への侵略を許したのだ。
Nの心が笑う。ひんやりとした冷微を見られないように立ち上がった。頬に手を当て、頭を撫でてからバス・ルームへ向かう。
必ず何もかもを、手に入れるのだとそう思った。全てを奪い、ひざまずかせて 心を魂を奪おう。そう思い、ほくそ笑むのだった。
静かな夜がやって来たのだった、だがそれは激しさの前触れ。それを知るのは、魔王のみ。
外には優しい春の風が吹いていたというのに…
絢音は騒めく、心を思い胸に手を当てているのだった。
それに合わせた、薄い桃色と紫のグラデーションのワンピース。
見上げながら囁く、眼鏡を外していたので眼差しが鋭く心に突き刺さる。
「僕の為だけに、美しくしてくれたんやな。今日だけは、僕だけを見て感じて。絢音からキスをして、まだされてへん。」
それに困った顔を、隠さなかった。下を見ても、見つめる瞳から目を逸らす事は出来なかった。
「また、そんな無茶な事ばかり。」
「愛してる、絢音。だから、唇に誓いを。」
どうやって、逆らっていいのかなどもう分からなかった。ゆっくりと、それはまるでスローモーションの様に引き寄せられる。絶対的な力で魔王の呟きは、心を離さなかった。
二人の影が重なる。絢音からの口づけにより、彼女はそれが服従の契約だと知らずに唇を奪われ心への侵略を許したのだ。
Nの心が笑う。ひんやりとした冷微を見られないように立ち上がった。頬に手を当て、頭を撫でてからバス・ルームへ向かう。
必ず何もかもを、手に入れるのだとそう思った。全てを奪い、ひざまずかせて 心を魂を奪おう。そう思い、ほくそ笑むのだった。
静かな夜がやって来たのだった、だがそれは激しさの前触れ。それを知るのは、魔王のみ。
外には優しい春の風が吹いていたというのに…
絢音は騒めく、心を思い胸に手を当てているのだった。